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【小説】男どアホウ放送部 パート4

 4.アナウンス原稿を書こう
 五月某日。雨がパラパラと降る、薄暗い放課後。
「あれっ……ドアが開かない」
 いつものように放送室にやってきた俺は、どういうわけか締め出しを喰らってしまった。
 ガチャガチャとドアノブをひねってもドアはまるでビクともしない。
「もしかして、まだ誰も来てないのかな?」
 そう考えればドアが開かないのにも辻褄が合う。いつもはHRがすぐに終わるらしい東野が早めに来て開けてくれているのだけど、もしかしたら何か用事でもあって今日は来れないのかもしれない。
「仕方ない。一番乗りの俺が鍵を取りに行くか」
「……誰が一番乗りですって?」
 女の声がした。振り返ると葛西さんが立っていた。
「ああ、よう葛西」
「そんなのいいから。とっとと行くわよ」
 何やら急いでいる様子の彼女に、制服の袖口を引っ張られる。
「行くって、どこにだよ」
「講堂だけど。今日は学校説明会があるって昼間に言ったわよね」
「……ごめん忘れてた」
 俺の反応に、葛西さんは小さくため息をついた。
 学校説明会は放送部の定期的な課外活動の一つだ。
 ウチの学校では例年五月から十一月にかけて、二ヶ月に一度の頻度で中学生と保護者を集めた大規模な説明会を開いている。体験授業なんかもあって受験生からそれなりに好評らしい。
 俺たち放送部は、このうち講堂で実施される全体説明会の音響調整を担当している。
 音響調整とは――掻い摘んで説明するなら、例えば校長先生が握っているマイクの音量を聞こえやすい大きさに調整したり、逆に声のデカい先生のうなり声を出来るだけ小さく聞こえるようにしたりと、とにかく聴衆が不快にならないように裏で色々と機械をいじくっちゃう仕事のことだ。
「フハハハ、お前たちの鼓膜の安全はすでにボクの手の中にあるというわけだよ……」
 講堂の映写室から客席の様子を眺める東野。
 遅れそうになった手前、あまり強くは出られないので口にしないことにするけど、無声音だからって下に聞こえないわけじゃないから、あんまり不穏なことは喋らないでほしい。
 無声音とはコソコソ話の時のあれのことだ。まともに発声しないので『無声音』という。
 映写室での会話は基本的にこの無声音で行われる。裏方は裏方らしく目立たないのが鉄則。俺たちは表で喋っている校長先生や教頭先生の邪魔にならないよう、最善を尽くさないといけないのだ。
「あっ、古城もやっと映写室に来たんだね」
 東野に無声音で話しかけられた。
 俺も無声音で返事をする。
「すまん東野。すっかり忘れてた」
「ははは。まだ始まってないから大丈夫だよ」
 小さな手に背中をポンと叩かれる。
「――それにしてもすごい数だね、古城」
「ああ。これはすごいな」
 窓から下界を眺めると、客席はすでに人で満杯になっており、立ち見の保護者が壁沿いにずらりと並んでいた。
 これほどの盛況ぶりは今まで見たことがない。
「校長の話を聞くためだけにこれだけ集まるとは、今時の主婦は意外と暇なんだな」
 スポットライト担当の松岡がこちらに近づいてくる。
 まだ始まる前なので自由に動けるようだ。
 映写室にはスポットライトが二つ備え付けてある。それぞれ自由に照らす位置を変えることができるので、壇上の校長を照らしながら一方で司会席の教頭を照らすといったことも可能だ。
 このスポットライト、卒業式なんかだと卒業生代表が壇上まで歩く姿を追わなくちゃいけないこともあったりして、結構『狙撃』が大変だったりするのだけど、こういうのんびりとした説明会の場ではあまり仕事がない。
 いかにも松岡らしい仕事の選び方だった。
 もうちょっと早く来れていたら、俺だって狙ったんだけどなあ。
「……そういや俺は何をやれば良いんだろう」
 ふと映写室を見回す。
 音響のミキサー席には東野が陣取っている。
 スポットライトは二台とも松岡が占有している。そもそも今日はおそらく一台しか使わないので担当者は二人もいらない。できれば他の仕事を探すべきだ。
 残りの一枠、照明装置は――どうやら葛西さんがやるつもりらしい。
「古城、照明は私がやるから」
「じゃあ俺はどうすれば……」
「知らないわよ。そこの机で原稿でも書いてたら?」
 彼女の言葉(無声音)に俺はビックリした。
「え……いいの?」
「だって四人もいらないもの。暇されるのは嫌だし、それなら原稿でも書いとけって話じゃない」
 時は五月下旬。
 いよいよ六月の大会が近づいてきた頃である。
 俺たち放送部員は日々アナウンス原稿と誼を交わすことを強いられていた。
 何度も何度も書き直し、そのたびに単語のイントネーションを辞書で調べる。時には取材内容を読み直し、時には文章の構成そのものを変えてしまうことだってあった。
 そうして日々生産されていく幾多のアナウンス原稿のうち、顧問教師の厳しい審美眼に許された原稿だけが、この無間地獄から逃れることができた。そして俺たちはその高みを目指して、日々研鑽を重ねるのだった。
 なお葛西さんはすでにこの難題をパスしており、毎日涼しい顔で部室を後にしている。
「よし……葛西に続いてやる!」
 思わず映写室でガッツポーズ。
「ずるいぞ、古城!」
「そうだよ! 働かない古城が得するなんておかしいよ!」
 周りの批判(無声音)なんて気にしない。
 やることがないんだから他の活動をやって何が悪い。
「……幼馴染から優しくないって言われたばかりのくせに」
 野太い声(無声音)にキッツイ所を刺されてしまった。
 東野の奴、弱みでも握ったつもりなんだろうか。
「ばかりって、あれから半月は経ってるっての……」
「へえ。あれから会うことはあったの?」
「まだ無いけどさ……」
 時が経つにつれて早苗の罵詈雑言が胸に響くようになっていた。
 古馴染の彼女からあんな風に見られていたなんて。
 そんな罪悪感にも似た思いが、俺の胸を強く締めつける。
「ふふふ。罪悪感を感じるなら原稿を書かずにいることだね。そしてボクたちと一緒に無間地獄を楽しもうじゃないか」
 東野に肩をバシバシと叩かれる。
 悔しい。こいつにこんな扱いを受けるのが死ぬほど悔しい。
『ただでさえダメダメなのに性格まで悪いとなると、もう褒めるところが無いよ』
 東野に話をほじくり返されたせいで他の罵倒まで頭に浮かんできた。
 クソ……それくらいわかってたけど、早苗もそこまで言わなくてもいいじゃないか。
 俺が無声音でぶつぶつと文句を言っていると……。
――吹奏楽が鳴り始める。
 学校説明会のオープニングを飾る、我が江袋高校の吹奏楽部(五人)。
 少人数ながらも、華やかな舞台で精一杯に演奏する彼らの姿は、いつ見ても好感が持てる。とても物悲しいのは相変わらずだけど、それでも頑張っているのは伝わってくるからだ。
 今日の彼らの曲目は『星条旗よ永遠なれ』だった。
 本来は運動会で演奏するような行進曲なんだけど、何故あえてこれを選んだんだろう。
「はは、軍隊みたいだと思ってたら、本当に軍隊になっちまったのかもな」
 松岡が無声音で苦笑する。
 おそらく吹奏楽部の尋常ではない組織力を皮肉っているのだろう。
 確かに彼らは凄まじい。こうして舞台の上で演奏している限りでは『小さいながらも遊び心にあふれた演奏集団』のように見えてしまうけど、普段の彼らは自衛隊もビックリのとんでもないスパルタ集団だ。
「あの人たち、いつも廊下でごめんなさいを連呼してるもんね……旧軍みたいというか……」
 窓枠に頬杖をついた東野が、ぽそっと毒を吐く(無声音)。
 実は俺も何度か、『フルート殿! 下手な演奏をして申し訳ありません!』という台詞を連呼しながら土下座している様子を見たことがあるので、何となくわかる。
 あんな古くさいノリだから新入部員が一人も入ってこないんじゃないだろうか。
「ってそれはうちも同じか……ははは」
「古城、無声音!」
 葛西さんに無声音で怒鳴られて、俺は久しぶりにチビりそうになった。
 この迫力はいったいどこから来るのだろう。謎だ。

 学校説明会は滞りなく終わり、俺たちはマイクやスピーカーを手分けして回収した後、放送室まで戻ってきた。
 鍵を持っていた東野がガチャリとドアを開ける。
「ああー! やっと大声で喋れるね!」
 長い間、無声音に縛られていたこともあり、放送部員は概ね開放感を感じているようだ。かくいう俺も無性に叫びたくて仕方がない。
 さっそく、俺たちはそれまでの鬱憤を晴らすかのように発声練習を始める。
 まずは腹式呼吸で大声を出すところから――
「失礼しまぁぁぁぁぁッス!!!!」
 ――スタジオに聞きなれない叫び声が響いた。叫び声自体は発声練習の最中なので珍しいものでもないのだけど、聞きなれないというのはなかなか無いことだろう。
 声の主を探すのは簡単だった。なぜなら『彼女』は何の断りもなく放送室の中に入り込み、すでに俺たちのいた奥のスタジオまでやってきていたからだ。
「どもッス! イトーって言います!」
 彼女はイトーと名乗った。
 どこにでもいそうな、背の高い女の子だった。
 強いて特徴を挙げるとするなら――彼女は全身にソフトボール部のユニフォームを着込んでいた。
「あ! もしかして練習の最中でしたか!」
「一応、そういうつもりだったけど……あなた何者?」
 葛西さんは厳しい目つきをしていた。以前からああいう運動系の生徒は嫌いだと公言していた彼女のことだ。イトーのことをあまり快く思っていないのだろう。
「やっぱり練習中でしたか! すみませんでした!」
 イトーは深々と頭を下げた。
「いや、だからあなた何者……」
「出直します! 失礼しました!」
 そう言って、勝手に放送室から出ていってしまったイトー。
 入り方は大胆だったのに、出る時はやけに謙虚なんだな……。
「……返事をしない奴はもっと嫌いよ」
 葛西さんはドアのほうを見ながら「ふう」とため息をついた。松岡がよく相撲取りみたいだと陰で茶化しているけど、実際はもっと可愛らしい感じでため息をついているのであの指摘はちょっと違うと思う。
 ついでにいわせてもらえば、普段興味がない話題にしか返事をしてくれない葛西さんに、その台詞を言う資格はない。
 何はともあれ、発声練習は再開された。

 発声が終わった後、補習帰りの加地前先輩から話を聞いた。
「そのイトーって子はきっと新入生の伊藤睦美(いとうむつみ)ちゃんね。女子ソフトボール部・期待の遊撃手って校内新聞で特集されてたもん。俊足巧打の三番打者として、さっそく活躍してるんだって。何でもチャンスにめっぽう強いとか!」
 どうやら本当にソフトボール部の部員だったようだ。
 でも、そんな彼女がどうして放送室に入り込んできたんだろう。
「もしかしたら入部希望なのかもね! やだ! 期待の新入部員じゃない!」
 身をよじらせて喜びを表現する加地前先輩。
 先輩には悪いけど、果たしてそんな美味い話があるのだろうか……。

     ☆     

 梅雨の匂いがコンクリートの校舎に充満する、五月二十二日。
 俺は湿っぽい渡り廊下を、とある女の子と二人で歩いていた。
「いやあ、なかなか難しいッスね!」
 ひょっとすると俺よりも背が高いかもしれない、一年一組の伊藤睦美ちゃん。
 先日、晴れて放送部に入部となった一年下の後輩だ。
 言うまでもなく俺たち二年生組にとっては初めての後輩になる。
「どーにもこーにも上手く書けないですもん! どうしたらマルがもらえるんスかね?」
「それは俺が聞きたいくらいだよ……」
 俺たちは手元に原稿の束を抱えていた。
 来たる六月六日のBコンに向けて、放送部『アナウンス原稿製作本部』はその製造ラインを日々フル稼働させている。一日当たりの生産量はすでにピークに達しつつあり、数日後に原料となる印刷用紙が足りなくなる事態すら懸念されていた。
 そんな中で、数日前に新入部員が入ってきた。
「いやあ、しかし入部してそうそう大会ですか! ありがたいッス!」
 朗らかに笑う伊藤ちゃん。
 彼女、さすがはソフトボール少女なだけあって、体力と精神力には目を見張るものがあった。
 顧問教師の『あと数日で原稿を完成させろ』というむちゃくちゃな指令にもしっかり応えていて、毎日下校時間ギリギリまで休憩も取らずに取材と執筆を繰り返している。
 曰く、梅雨でソフトボール部が開店休業状態だからこそできる荒業だそうだ。
「そういえば、伊藤ちゃんはどういう原稿を書いているの?」
「自分はソフトボール部の先輩について書いてるッス! どうぞ古城先輩も見てください!」
 持っていた原稿をひったくられて、代わりに伊藤ちゃんの原稿が手元にやってくる。
 この子、押しが強いというか、行動が早いというか……葛西さんじゃないけど、俺もちょっと苦手かもしれない。
「ふむふむ……なるほどね」
 伊藤ちゃんのアナウンス原稿は意外にも出来が良かった。
 ソフトボール部の三年生・石井和乃(いしいかずの)さんが、交通事故で足の骨を折った後、必死のリハビリでレギュラーメンバーの座を取り戻したという感動的なストーリーだ。伊藤ちゃんは二年の先輩からこの話を聞いた時、号泣したという。
 文章についても書きなれている感じがして、口に出しても読みやすそうだった。
「すごく良いんじゃないかな。これならもうちょっとで合格できそうな気がするよ」
「ありがとうございます! 先輩の原稿もすごいッス!」
 いつの間にか俺のやつも読まれていたらしい。何だか気恥ずかしい。
「それにしても文章が上手いね、伊藤ちゃん」
「ありがとうございます! ああでも、それは葛西先輩がほとんど手直ししてくれてるッス!」
 伊藤ちゃんは照れくさそうに頬を掻いた。
 なるほど、そういうことだったのか。
 現在、加地前先輩から伊藤ちゃんの育成コーチを任されている彼女が一つ一つ手直ししたのなら、この原稿の出来栄えにも納得がいく。
「……俺の原稿も手直ししてくれないかなあ」
「え! 自分がですか!?」
 いや、君じゃないですよ。

 ペケマークだらけの原稿と共に放送室に戻ってくる。
 伊藤ちゃんは葛西さんのいるスタジオのほうに行ってしまった。
 俺は放送室の机にドッと腰を据えて、目の前のノートパソコンからマウスを探す。
「おっ……帰ってきたな」
 マウスを持った松岡が近づいてきた。USB端子をぶらぶらさせているその姿はなかなかシュールだ。
「古城、これを返して欲しいか」
「出来ればそうしてもらいたいな。それがないと作業ができない」
 マウスがないとまともにパソコンが動かせない。そうなるとワードを立ち上げることだって出来ないし、俺はそれを理由に暇な時間を持て余すことになる。
 あと数日で大会事務局に原稿を送付しないといけないことを考えると、今のこの時間を無駄にするのは少々避けたいところだ。どうにかして松岡からマウスを取り返さないといけない。
「ふふふ。だったら僕の頼みを聞いてもらおうか」
 松岡はメガネをキラリと光らせる。
「お前の頼み?」
「ああ。なに、簡単なことだぞ……」
 彼は俺の耳元に手を添え、口を近づける。
 必然的に顔が近くなって少々トギマギした。こいつ真面目な顔したら本当に格好いいな。
「……ムツミンをエサに芋づる方式で女の子を集めたい。古城も協力しろ」
 結局、お前の本質はそこなのかよ。もうちょっと原稿とかそんなところにも注力しなさいよ。
 しかしまあ、ただそんなことを頼みたいがためにわざわざマウスを奪い取るだなんて、本当に不器用というか子供というか……頼みごとが下手というか。全く松岡は相変わらず松岡だ。
「わかったから、とりあえず……マウスを返してくれるか」
「いいだろう。その代わり約束は守ってくれよ?」
 松岡の手により、机のノートパソコンにマウスが接続される。
 これでようやく原稿の改良ができる。
「――はあ。そもそもムツミンが僕好みの美女ならこんな努力は必要ないんだがなあ」
 松岡は心底悔しそうな様子でため息をつく。
 ムツミンこと伊藤ちゃんはとても健康的な女の子だ。背が高くて力持ち。全体的にすらっとしていて、肌もそれなりに焼けている。これが松岡の好みではないらしい。
「僕はもっと小動物的な女が好きなんだ。こう……守ってやりたくなるような。ムツミンや葛西は守るどころか自力で何でもできそうだからダメなんだよ。加地前先輩は女として問題外だし」
「松岡、お前って恐ろしく無礼な奴だよな……」
 メガネでなければ手が出るところだった。暴力は嫌いだけどさ。
「ふふふ。洋祐は何もわかっていないね」
 理由もなくジャージを着ている東野が、職員室の顧問教師のところから戻ってきた。男子用の制服というアイコンがないと本当に女子生徒にしか見えないのがすごいな。声だけは相変わらずスターフォックスのピグマみたいに野太いけど。
 東野は首元まで伸ばした髪を掻き上げ、ニッと得意げな笑みを見せる。
「睦美ちゃんはともかく、葛西さんなんて庇護欲をそそる最高の存在じゃないか」
「あの葛西が……最高の存在だと?」
 松岡は怪訝な顔をした。信じられないといった様子だ。
「そうだね。じゃあマネしてみるよ」
 東野は近くにあった俺のブレザーを肩にかける。ブレザーだけは男女共用なので演出に使えると考えたのだろう。
 ここで、フッと東野の表情が変わった。
 いつになくキツそうな眼光、まるで苦虫を噛み潰したような顔つき。
 ポケットに手を入れて、斜めから人の上半身を見つめる、その姿勢。
 そして誰も寄せつけない冷たさと身勝手な性格を表に出し続ける――そんな女の子。
「――いつになったら副部長の座はいただけるのかしら?」
「ダメだ。声が低すぎて全く似てない」
「ええ!? 結構頑張ったのに! 酷いよ洋祐!」
 雰囲気は似ていたけど、松岡の言うとおり声がダメすぎた。
「はあ……この声を忌々しく思う日が来るなんてね。まあいいや。それで庇護欲の話だけど……」
「東野。さっきの真似、私もあんまり似てないと思うわよ」
 まさかの本人登場に東野は飛び上がった。
 奥のスタジオからガラス越しに全容を見ていたらしい葛西さんは、自分の真似をしてくれていた東野にじりじりと近づいていく。
「ねえ、ちょっとこっちに来てくれる?」
「い……嫌だ! 助けて洋祐!」
「いいこと。出来の悪い真似なんてのはカスのやることよ。やるならもっと上手くやるべきなの」
 葛西さんは東野を羽交い絞めにした。あれは色んな意味で逃げられない。
「伊藤。手伝いなさい」
「は……はい! すみません東野先輩! 失礼しまッス!」
 伊藤ちゃんが東野の足を持ち上げた。
 次に葛西さんが両手を持ち上げ、東野はさながら救助隊の担架のようになってしまう。
「東野。さっきも言ったけど、私は完コス派なの。出来の悪い真似は大嫌い。だからやるならやるでしっかり指導してあげるわ。私がわざわざ時間を割いてあげるんだから、せいぜい喜ぶことね。それに元ネタからやり方を教えてもらえるなんてなかなか無いことだと思うわよ?」
「た、楽しめたら何でもいいじゃないかあ!」
 必死で抵抗する東野だけど、こだわりがあるらしい葛西さんは彼の逃亡を許さない。
 そのうち、伊藤ちゃんと一緒にスタジオまで彼を運んでいってしまった。
「……あれで怒ってるわけじゃないんだよな、あの女」
 松岡が悪口を言わないなんて珍しい。
 後に残された俺たちは、ガラス越しに繰り広げられる世にもおぞましい指導風景――それこそ直視すれば女性に対する幻想を全て失ってしまいかねない様相から目を背けつつ、原稿の改良を進めることにした。
 東野の奴、ちょっとうらやましいけど、いつもながら貧乏くじだなあ。

     ☆     

 五月某日。最後の五月晴れが見られた日の帰り道。
 JR四條畷駅で松岡たちと別れた俺は、駅のホームで愛しの幼馴染と再会した。
「あっ……敬ちゃん!」
 大きな荷物を抱えて、よたよたと近づいてくる早苗。
「どうしたんだ、その大荷物」
「ちょっと学校で使ってたの。衣類がたくさん」
 早苗は大きなバッグの中身を惜しげもなく見せつけてくる。
 中には毛布のようなものが何枚も包まっていた。
「へえ、演劇にでも使ったのか?」
「よくわかったね。前に学校で演劇祭があって……その時にね」
 彼女はニヒヒと笑ってみせる。
 そんなイベントが会ったのなら見に行きたかったなあ。
 そう思った時、ふと以前の彼女の辛辣な言葉が頭の中を駆け巡った。
『ただでさえダメダメなのに性格まで悪いとなると、もう褒めるところが無いよ』
 途端に目の前にいる早苗の本心がわからなくなる。
「な、なあ」
「なに、敬ちゃん」
 早苗は小さく首をかしげる。
「……どうしてこの間はあんなに酷いことを言ってきたんだ?」
「酷いこと?」
「いや、俺が優しくないとか色々と」
「……だから、それを聞いて敬ちゃんはどうしたいの?」
「どうしたいのって……」
 何だか、早苗とは言葉が通じないような気すらしてきた。
 この前の時だってそうだった。話を聞いたのに最初はまともに答えてくれなかった。
 そっちは俺の話をやたらと聞きたがるのに、どうしてそんなに嫌がるんだ。
「……ごめん敬ちゃん。ちょっといじわるだったね」
「ああ、いや……」
 しおらしい表情の早苗に、俺は何も言えなくなる。
 こういう時、男は非常に弱いものらしい。
「敬ちゃん」
「な、なんだよ」
「一つわかっていてほしいのが、私は敬ちゃんのことが嫌いじゃないってこと」
「へ?」
「あれは……あの時は悪口言ってごめんなさい」
 ペコリと頭を下げられる。
 俺は尚更、どうしていいのかわからなくなった。
「――でもあれは紛れもない本心なの」
「ええ!?」
 え、え、ええ……?
「なんというか……その……とにかく敬ちゃんのこと嫌いじゃないから!」
 瞬間、彼女のセミロングの髪がものすごい突風に吹かれる。
 ホームに宝塚行きの快速電車が入ってきた。

 さて、狭苦しい満員電車の中で話し合いはできない。
 駅のプラットホームでもしたくない。
 東城見の通りなんて、昔馴染みがたくさんいるんだから、それこそ俺たちの話を聞かせたくない。
 そんなこんなで、家の前までずっと黙ったまま歩いてきてしまった。
「……久しぶりにお邪魔してもいいかな」
 うつむいたままの早苗がポソリと呟く。
 お断りする理由が無いので、俺は彼女を家の中に迎え入れた。
「あら……えっ」
 居間でくつろいでいた姉が、家の中に入ってきた早苗を一目見て、持っていた携帯ゲーム機を床に落としてしまう。
 あのゲーム機、すっごい高かったのに。壊れてないかな。
「えええっ……早苗ちゃんがウチの家に……?」
「……変な勘違いしないでよ、姉ちゃん」
「だって六年生以来じゃないの! 外ではよく見るけど、うわあ懐かしいわあ!」
 早苗の手を握り、わしわしと頭をなでたりする我が姉。
 彼女も苦笑している。
「じゃ、上に上がるから!」
 俺は早苗の手を引いて、狭い階段を登ろうとする。
「えっ……連れ込むの!? ていうかこの前の子が本命じゃないの!?」
「この前って、いや東野なわけないだろ!」
「じゃあ……誰かな?」
 姉の温和な微笑みに、俺は一本取られたことを確信した。
 別に、そんな特定の誰かはいないつもりだ。
 しかしここで大っぴらに否定するのは早苗に対して失礼にあたる気がしたので、俺は黙って階段を登ることにした。早苗にもついてくるように促す。
 俺はこの家の二階に四畳半の自室をもらっている。姉の部屋(十二畳)と比べるとかなり手狭だが、自分一人で過ごすなら十分な広さだ。
 ところが、友達が来るとなると話は変わってくる。
 学習机からテレビ、果てはクローゼットまで置かれた我が部屋において、安住の地はせいぜい一メートル四方。
 俺たちはそれなりに接近して座ることになった。
「……懐かしいね」
「そうだな。本当に六年生以来だもんな」
 小学校時代。俺と早苗は何をするにも一緒だった。
 二人でマリオカート64をしたり、一緒にスターウルフを退治したりした。時には人形遊びだってやった。
 こんな狭い部屋でも当時は十分な広さがあった。なぜなら二人とも身体が小さかったからだ。
 小学五年生になって、彼女が夜遅くまで学習塾で勉強するようになると、どうしても時間が合わなくなってしまい、次第に遊ぶこともなくなってしまった。
 最後の時――あれは中学に入る直前、三月のことだったか。
 彼女は突然現れて、いつものように遊ぼうと言ってきた。
 あの時も、彼女はニヒヒと笑っていた。
「敬ちゃんはあれから、自分が変わったと思う?」
 早苗はカバンから藍色の毛布を取り出し、自分の足の上にかけた。
「俺が? いや全く」
「そうだろうね。全然変わってないもん」
 彼女は数年ぶりに、この部屋でニヒヒと笑ってみせた。
「――本当にどうしてなんだろうね。どうして何をするにもこの部屋に回帰しちゃうんだろう。理屈ではおかしいって、きっと『それよりもっと』があるって、わかってるはずなのにねえ」
「早苗?」
「ううん。こっちの話」
 彼女は遠くを見るような目をしていた。
 そしてその目は、俺に一抹の寂しさを感じさせる。
「ゲームでも……するか?」
「……うん。久しぶりにマリオカートでもやろうよ」
 彼女の返事を聞いて、俺はゲーム機の電源スイッチを入れる。
「あ、ダブルダッシュでもいいか?」
「ダブルダッシュ? なにそれ?」
「マリオカートの続編というか、ちょっと古いけど新しい奴だ」
「……64はもうないんだね」
 彼女は近くにあったゲームキューブ用のコントローラーを強く握る。
 やっぱり慣れていた64版のほうが良かったのだろうか。でももう廃棄しちゃったしなあ。
 俺が頭をポリポリと掻いていると、彼女は俺の袖口をぐっとつかんできた。
「敬ちゃん」
「は、はい?」
「私はいつかマリオカート64を手に入れるよ。そのために今まで頑張ってきたんだから。絶対に絶対に手に入れるよ。自分に打ち勝って、絶対に入手してやるの……」
 彼女の真面目な顔つきに、俺は何も言えなくなる。
 だってほら、あんなの中古でいくらでも手に入るものだし……ねえ。
 でも、彼女の表情は真剣そのものだった。
「とりあえず、今はダブルダッシュをやろうぜ」
「……うん。わかった」
 俺はテレビを点けて、画面をゲームモードに変更する。
 ダブルダッシュは64版に慣れていれば十分に対応できるゲームなので、早苗もきっと満足してくれるだろう。
 それにしても――早苗ってこんな女の子だったっけ。
 この前、急に悪口を言ってきたことも然ることながら、今日の様子にしても相当おかしかった。
 俺はもう少し昔のことを思い出すべき、あるいは調べるべきなのかも……しれない。

     ☆     

 五月二十四日。アナウンス原稿提出の日。
 ギリギリまで推敲を重ねた結果、俺の最終提出原稿は次のような形となった。
『私達の学校には、球技大会という行事があります。自分のやっていないスポーツに触れて、日頃のストレスを発散するのが目的です。技術指導は各部活の先輩方がしてくださり、素人でも安心してスポーツを楽しむことが出来ます。そのため、毎年楽しみにしている生徒も多く、校内でも人気のある行事の一つです』
『去年行われた球技大会ではクリケットや水球など、普段あまり馴染みのないスポーツを体験することができました。また、女子バレーボール部と女子ソフトボール部が水泳で対決する企画もありました。双方一歩も譲らない対決となり、最終的には女子ソフトボール部が勝利したそうです』
『他にもストラックアウトなどの企画があり、一人でも多人数でも楽しめる大会となりました』
『球技大会が終わった後、生徒たちは「普段とは違った気持ちでスポーツに取り組めた」「吹奏楽部にバスケットボールで負けたのが悔しかった」などと話していました』
『普段私達は専門外のスポーツに取り組むことがあまりありません。球技大会は私達が新しいスポーツに最高の形で出会える行事といえそうです』
 本番ではこれを一分三〇秒で読み切ることになる。
 題材に九月の球技大会を選んだのは、単純に学校行事はニュースにしやすいからだ。
 Bコンのアナウンス原稿は「校内放送を前提としたニュース原稿」であると規定されているので、ニュースの内容は校内放送に適したものが望まれる。
 学校行事についてのアナウンスなら、校内放送で流しても全く問題がない。
「しかも行事のあらましを書くだけで立派なニュース原稿になっちゃう」
「おお、すごいッス」
「これが手際の良い原稿の作り方だよ。秋の新人大会では伊藤ちゃんも真似してみるといい」
「わかりました! ご教授ありがとうございました!」
 ニッコリと笑みを残して、伊藤ちゃんは去っていった。
 ちょっとは先輩らしいことができただろうか。
「ははは。その手際が良いやり方とやらで期限ギリギリまで原稿を書いていたのはどこのどいつだよ」
 購買で買ったプリンを片手に近づいてくる松岡。
 確かにそう言われるとぐうの音も出ないけど……。
「……松岡だって最後まで足掻いてたじゃねえか」
「ぐっ、それは言わない約束だったはずだぞ、古城」
 前日の夜遅くまで部室に残っていた俺たちは目くそ鼻くそだった。

 顧問教師に完成原稿を提出し、今日のところはひとまず帰らせてもらう。
 自転車通学の加地前先輩と駐輪場で別れて、ソフトボール部の部室に忘れ物をしたらしい伊藤ちゃんが帰り道の途中で引き返せば、後に残るのはいつもの三人だ。葛西さんは例によって夕方になる前に姿を消している。
「いやあ、やっと終わったねえ……」
 歩きながら深呼吸の真似事をする東野。心なしか笑顔が輝いて見える。
 俺や松岡と同じく東野も原稿には苦しめられていたので、その分開放感があるのだろう。
 かくいう俺も向かい風がすごく気持ち良い。
「マヌケなことを言うな。これからが本番だろうが……」
 一方で松岡は陰鬱そうな顔をしていた。
「そりゃ明日から読み練だけどさ、洋祐だって内心ホッとしてるでしょ?」
 東野は笑みを失わない。
 彼の言う通り、明日から本格的に読みの練習――略して読み連が始まる。
 原稿を一生懸命に読んだり、あるいは他人の読み方にケチをつけたりして、みんなでレベルアップを図っていく。
 もちろん加地前先輩じゃあるまいし、俺は大会で活躍しようなんて毛頭考えていないけど、みんなで練習するんだからサボるわけにはいかない。それにある程度練習しておかないと会場で大恥をかくことになる。
「ホッとするも何も憂鬱が続くだけだ。去年の葛西みたいに本番で失敗しないとも限らないし……」
 気落ちした表情を見せる松岡だが、わずかに口元に笑みを含んでいた。
 おそらく葛西の失敗を思い出して笑っているのだろう。本当に徹底して皮肉屋だなあ。
「去年のあれは……事故だったね」
 そう言って東野は夕空を見上げる。
 あの時も空は赤く染まっていた。
 一年前。当時一年生の俺たちは初めての大会を前にして大いに緊張していた。
 そこは自信過剰な葛西さんも例外ではなかったらしく、額から凄まじい汗を垂らしていた。
 会場に入る前から足元のおぼつかなかった彼女は、予選会場の府内某高校に入ってからはさらに憔悴するようになり、それから頻繁にトイレに通い始めて、最終的にはトイレから出て来れなくなった。原因はわからなかった。
 時は無情なもので、やがて彼女に発表の順番が回ってくる。
 当時三年生の先輩方から説得を受けて、ようやくトイレから出てきた葛西さんは、順番待ちの椅子に座ったところで、再び滝のように汗を垂らし始めた。
 会場は高校の教室で、黒板の横に五脚ほど椅子が並べられていた。つまり彼女の番になるまでに五人分の発表があった。その間も葛西さんは汗を流し続けた。
 そして本当の意味で彼女の出番が訪れた時、彼女は目の前で自分を見つめる数十人のライバルを相手に、壇上からわけのわからないことをうわごとのように話し始め、ついには会場を追い出されてしまった。
「自信と自負と極度の緊張に押しつぶされちゃったんだろうね」
 東野は目を細める。
 あの大会の後、葛西さんは泣いていた。
 後にも先にも彼女のあんな姿は見たことがなかった。
「誰もあいつにそこまで期待なんてしてなかったのにな」
 口に手を当てる松岡。
「なるほど……葛西先輩にもそんな時期があったんッスねえ」
 神妙そうな顔でうんうんと頷く伊藤ちゃん。
 曰くご自慢のサイドポニーが前後に揺れる。
「って伊藤ちゃん!?」
「こんちゃッス。走ったら追いつけましたね」
 忘れ物の体操服を抱えて、彼女は多少息を吐く。
 あくまで多少、さすがはソフトボール部。鍛え方が俺たちとは違うみたいだ。
「いやいや、どうしよう洋祐!」
「あまり人に教えるべきじゃない類の話をムツミンに聞かれてしまったな……くそっ」
 東野と松岡は明らかに狼狽していた。
 人の恥ずかしい過去の話を、本人以外が他人に語るなんてのは下の下のやることだ。
 そこはさすがの松岡でも控えたいと思うところらしく、いつになく気まずい表情を見せている。あと目が泳いでいる。
「先輩方、お気になさらず。ちゃんと黙っていますから」
 そう言って伊藤ちゃんは唇に人差し指を当てた。ついでに片目もバチッと閉めた。
 よく見るとまつ毛長いなあ。抜けて涙腺あたりに挟まったら痛そうだ。
 ……いやいやそうじゃなくて。
「伊藤ちゃん、できれば忘れて欲しいんだ……」
「もちろんそれも善処はするッスよ。任せてください古城先輩!」
 バシっと背中を叩かれる。普通に痛い。
「――ただ、ちょっといい話を聞いたなってのはあるんですよね、実は」
「いてて……いい話だって?」
 今の話のどこかいい話なんだ。
 失敗するのを恐れた葛西さんが緊張のあまり大爆発しただけの失敗談じゃないか。
 揃って首をひねる俺たちに、伊藤ちゃんは柔らかく笑いかける。
「……自分、入部して早々大会とか言われて、ちょっと萎縮してたんッスよ。いきなり原稿を書けとか言われるし、何より大勢の前で発表させられるだなんて、素人にとっては公開処刑も同じじゃないですか。いったいどんな恥をかかされるのか、内心不安だったんです」
「伊藤ちゃん……」
 伊藤ちゃんはフッと髪を掻き上げる。
「それが、すでに考えられる中でも最悪の失敗をやってくれていたと聞いて、正直安心しました。さすがは葛西先輩ッス。自分のチンケな心配事をあっさり吹き飛ばしてくれましたよ。これで好きなだけ自分の全力が出せるッス!」
 彼女は自分の体操服をバット代わりにブンと振り回す。
 あのフォームは猛牛戦士・水口をモデルにしてるのかな。気合を入れて打ってる気がする。
「そういえば、ムツミンはどうして放送部に入ろうと思ったんだ?」
 松岡が伊藤ちゃんに話しかける。
「あ、自分ッスか。大したことないですけど、あえて聞きます?」
「……勿体ぶらずに教えろ」
「ではお言葉に甘えまして。今までソフトボールしかやったことなかったんで、他のことがやりたくて。放送部を選んだのは……クラブ説明会の時にすごい美人がいたじゃないですか。体育館の放送室の窓に映るあのご尊顔を一目見て、あんな清楚な人と一緒にいたら、自分もちょっとは落ち着くかなあって思いましてね……」
 恥ずかしいのか、伊藤ちゃんは歩みをちょっぴり早めていた。
 それよりもっと恥ずかしいのが東野だ。窓に映った美人なんてこいつしかいない。
「ははは。僕の作戦は一応の成功を収めていたわけだ。これで二人目だもんな」
「冗談じゃないよ洋祐! あんなの二度としないからね!」
「え!? あれって東野先輩だったんですか!?」
 どうやら気づいてなかったらしい。
「はあ……残念ッス。せっかくお近づきになれると思いましたのに」
「……そうやって無駄に期待されるから、女の人の格好はしたくないんだよね」
 仲良くため息をつきあう二人。
 そうこうしているうちに俺たちの足は四条畷駅に差しかかり、今日もまた俺は一人きりで京橋方面行きのホームに立つことになった。
 伊藤ちゃん、忍ヶ丘の住人なんだよなあ。残念無念。

     ☆     

『こんにちは、DJリコです!』
『バックで流れておりますのは中森明菜で「ミ・アモーレ」です!』
『本日はリクエストを受けて懐かしのアイドルソング特集となっています。皆さまのお耳の保養になるよう厳選に厳選を重ねて選曲させていただきました。なのでぜひぜひ聴いちゃってくださいね』
『夏が近づいてきた昨今。放送部はそろそろ大会が近づいております』
『ババンっと一発キメてやりたいところですが、新入生の訓練が大変だったりして色々と難しかったりします。みんな頑張っているので良ければ皆さんも心の中で応援してやってくださいね』
『心の中で気持ち抑えきれない人は……いっそ入部しちゃいましょう!』
『ではでは! 曲紹介といきますか!』
『一曲目は中森明菜で「スローモーション」。彼女のデビュー曲ですね!』
『二曲目は中森明菜で「十戒 (1984)」。みんなでハッパかけてもらいましょう!』
『三曲目は中森明菜で「少女A」。あなたは特別です、どこにもいませんから!』
『ではでは一曲目から三曲続けてどうぞ! わたしはその間に弁当を補給しておきます』

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